#735 あこがれだった街【三日坊主とひとりごと】

定期健診に通っている近所の歯医者で、「親不知が虫歯になりかけているがうちでは抜けない(埋まっているらしい)」といわれ、大学病院を紹介された。

めんどうだなぁと思いつつ、これ以上、歳をとってからハードな治療する羽目に陥りたくないのでしぶしぶ予約をとった。

病院終わり、神保町が近くて、次の予定までふらふらと街を歩く。

大学生くらいのとき、本好きだったわたしにとって神保町はあこがれの街だった。2回くらい、わざわざガイドブックを買って東京まで遠出し、神保町の古書店や喫茶店をめぐりながら、1日中ひとりで歩いたことをふと思い出した。そのとき買った年季の入った古本は、長年うちの本棚に鎮座していた。

東京で暮らしはじめてから早20年くらい。45分くらい電車に乗ればすぐに手が届く場所になったのに、昔は街を歩くだけであんなにわくわくしていたのに、今は仕事以外で神保町を訪れることなんてほとんどなくなってしまった。

久しぶりに歩いた神保町は、そこまで劇的に変わっていなくてなんだかちょっとだけほっとした。(身近に、ここ10年くらいで激変した街がありすぎて)

古い店構えの喫茶店やら、渋いラインナップの書店やら、美味しそうなかおり漂うカレー屋さんやらをのぞきながら歩く。次、時間があるときに来ようかな、なんて、わたしにしては珍しいことを考えたりした。最近はほぼ徒歩圏内で生活していて、めっきり出かけなくなってしまったから。