#728 経験貯金に思いを馳せる【三日坊主とひとりごと】

限りなくぼーっとしている。社会人20年選手の五月病のようだ。かつては大した意味を見出せないと思っていたYouTubeの動画と、ひたすらルーチンを繰り返すスマホゲームが、疲れ切った脳の休養にどうやらちょっとは役立つらしい、と気づいたのはいつだったか。

ライターとして馬車馬のように働いて、はじめて「書けない」状態に陥ったとき、大した発散方法もリフレッシュの手段も知らなかったわたしが頼れたのは、結局、自宅のベッドに寝転んでいても手元で自由に使えるスマートフォンだけだったのだった。

ぼーっとしていると無限に時間が過ぎていくので、最初は焦りのほうが強かった。でも何度かそんな時期を乗り越えた経験を重ねたからか、「あ、今はそういうモードね」と、あきらめてぼーっとできるようには、なっている。これを“成長”と呼んでいいのかどうかはわからないが。

タスクは最小限におさえて、できるだけ考えることをやめる。余白を埋めようと必死に動いたほうがいいとされる年齢は、とっくの昔に過ぎたのだと思うことにしている。

ただ、なかなか難しいな、と思うのは、今わたしがこうして多少なりとも「ぼーっとする」時間を確保できるようになったのは、まちがいなく20代、30代でほとんど休まず働いた蓄積があるからであって、今はその経験貯金的なものを食いつぶしてなんとかなっているにすぎないということ。それを忘れてしまったら、たぶん私は終わりだ。