用があって新宿にいく。相変わらず雑多で混沌とした街だと思う。20代の頃、勤めていた会社が新宿にあって、2年くらいは毎日通っていた。だから馴染みはある場所だったのだけど、ここのところほとんど足を運ばなくなってしまったから、久しぶりに街中を歩くとなんとなく新鮮だ。
街ゆく人、外国の方がずいぶん目立つ。お店も海外の方向けなんだろうな、と思うところがすごく増えた。
会社帰りにデパートに寄ったり、映画をみたり、ちょっといいカフェでお茶したり、ウィンドウショッピングしたり、同僚と飲みに行ったり……というのが当時のわたしの日常だった。仕事ばかりしているなかで、それがたぶん、日々のストレス発散になっていた。
今はもう用事をすませたらとっとと家に帰りたい、と思ってしまう。
せっかく交通費かけてきたのだから、大きい本屋に寄ってみようか、そういえばそろそろ化粧品なくなってたから買いにいくか、冬物のカーディガンを見ていこうか、お茶くらい飲んで行こうか……。
一応、ひと通り考えてはみたものの、考えて歩いているうちに駅についてしまった。結局何もしなかった。そこまでしたいとも思わなかった。というより帰宅ラッシュがはじまるまえにさっさと帰りたかった。
全然関係ないけど、最近、歴史的な事件などを通して群衆心理について考える機会が多くて、都会の雑踏の中に自分が身を置いているとふと恐ろしくなる瞬間がある。まあ、関係ないのだけど。