ちょっとしたきっかけで、中山七里さんのミステリー小説をはじめて読んだ。ひさしぶりに、がっつり没頭して読書する時間になった。しかもシリーズいっぱい。ありがたすぎる。
活字にあまり集中できなくなってから、読書量はめっきり、というかほぼゼロに近くなった。ときどき読むとしても、もう結末がわかりきって安心できるミステリーの再読とか。
大好きなミステリーでも、どんなに興味のあるテーマの本でも、身体がぜんぜん読書モードにならないことが増えてしまった。開いたところで一文字も頭に入ってこないものがほとんどなので、開く気が起きなくなったというか。
けっして、読みたくないわけじゃないのが辛いところだ。
そんな状態のわたしでも、文章がすっと入ってくる作家さんがときどきいる。(ときどきしか見つからない) 中山七里さんの文章がそれだった。「わかりやすい」とかじゃないんよな。とにかくテンポがよくて、すっと没頭できる感じ。
久しぶりの感覚だったので、とてもうれしかった。うれしくて、めちゃくちゃ新しい本を買ってしまった。そしてめっちゃ読んでしまった。
ついでに、わたしは孤高の名探偵とか刑事の主人公が大好きで、しかもシリーズもので作品がいっぱいあって、言うことなしすぎた。ありがとう、という気持ち。
高校時代の夏休みを、なんとなく思い出す。何も考えずに、活字の海におぼれている時間がいちばんしあわせだった。今もそれは変わらないのだ。