「ゆっくり歩け、たくさん水を飲め」——って、村上春樹の、どの小説に出てくるセリフだったっけ。唐突に思った。
というのも、ここのところめずらしく、散歩なぞをしているからだ。ちょっとコーヒーを飲みにいくとき、日用品を買いにいくとき、ご飯を食べにいくとき、家や近所ですませるのではなく、あえてとなりの駅周辺まで足を伸ばす。
そうすると、往復で30分、歩数にすると5,000歩くらい歩くことになる。これを日常に組み込んで外に出る習慣をつけてしまおう。そういう魂胆である。
うちの近所は商店街かつ住宅街で、残念なことに大きな公園や緑道などがなく、あまり気持ちよく散歩できる環境ではない。
それを言い訳に引きこもっていたのだが、自分の健康を考えると、いよいよそうも言っていられなくなってきた。
食生活はこの2年ほどでずいぶんと改善され、毎日ごくごくと水(白湯)を飲むようになった。あと足りないのは、明らかに運動だ。ストレッチでも筋トレでもウォーキングでもなんでもいい。とにかく身体を動かさなければ。
運動がとにかくきらいなので、息があがってしまうような活動はできるだけ避けたい。そう考えると、何かの目的をつくるのが手っ取り早いと思った。
おかげで、今まで一度も行ったことのなかった場所をいくつも開拓できている。
……そういえば冒頭のセリフは、どうやら『1973年のピンボール』のものだったらしい。久しぶりに再読しようかな。