#630 情報との距離【三日坊主とひとりごと】

どの情報に、どのくらいの頻度で、どのくらいの距離をおいて接するか、いまとても悩んでいる。

「情報」というとざっくりしすぎているが、主に3つくらいにわけられる。1つ目は、生きていくための基本的な知識や、社会全体の動き。2つ目は、仕事に必要な情報。そして3つ目は、文化的な情報だ。

この「文化的な情報」に、わたしは18歳までひどく飢えていた。わたしが生まれ育った地域はとても田舎で、たとえばCDや本を買うのにも、隣町まで20分も車を走らせなければならなかった。

自分の足でいける場所に、アクセスできる「文化的な情報」はほとんどなかった。成長するにつれ、わたしはそれが辛くなっていった。

大学生になったタイミングで家を出て、はじめてひとり暮らしをした街は、都会ではなかったけれど、自転車を15分もこげば何でもできた。大きな本屋、レンタルDVD・CDショップ、ゆっくり読書できるカフェ、大型スーパー、コンビニ、ドラッグストア、図書館、仲間たちがすぐに集える居酒屋。

都会出身の友人たちの中には「田舎だ」と嘆いている人もいたけれど、もっと田舎で生まれ育ったわたしにとっては夢のような環境だった。あの頃が、いちばん文化的で健康的な生活をしていたように思う。

社会人になり東京で暮らしはじめて、もう15年以上がたつ。情報に翻弄された15年だったともいえる。

それをいま、それぞれの情報と距離を置きながら改めて見つめ直している。