#604 外見【三日坊主とひとりごと】

10ヶ月ぶりくらいに美容室へいった。伸びすぎた超クセ毛はみごとにボサボサで、白髪がひどくどうにか自分で染め直した髪色も、まだらなうえに肝心の白髪が染まっておらず、雨の日に外に出ようものならセットも一瞬で崩壊するような……ひとことでいえば壊滅状態。

正直、今いくべきか……と躊躇もしたけれど、これ以上放置したら人前に出れんっ。と思い、きちんと対策していざ美容室へ。伸びきってしまった傷んだ髪をばっさり切ってもらい、触れたときのボリューム感が、大袈裟ではなく5分の1くらいになった。ほっとひと息。

この1年で外出することが極端に減って、外見の扱いがどんどん雑になり、ヘアケアはもちろん、ファッションやスキンケア、化粧などがあっという間におろそかになっていた。

その過程を、なんだか妙に冷めた目でみつめる自分がいることにも気がつく。

これまで時間やお金をかけて、必死にとりつくろってきたものは何だったんだろう——なんて、カッコつけて言う気はないけれど。世の中の標準として、みんな当たり前のようにやってきたはずの行為が、こんなにも脆かったことを知って戸惑う気持ちもある。

とはいえやはり、鏡に映る自分の姿だったり、単に「邪魔」という物理的な理由だったり、自分の中で超えたくないラインはある。まだ、ある。

誰かに見られるための身だしなみではなくて、自分が楽しむために。そう割り切ってあれこれできたら、いいのかもしれない。