#597 それは、あなたにとって【三日坊主とひとりごと】

毎日に必死すぎて、どこに向かって走っているのか、何が得られたら満足なのか、そのためにいま何をしたらいいのか、そんな基本的なことを考える時間がすっかりなくなっていた。

はじめに気がついたのはあるとき、ふと受けてみたオンラインコーチングがきっかけだったと思う。

「それができるようになると、あなたにとってどんな良いことが生まれますか?(意訳)」

前も何度か書いているかもしれない。仕事のことをつらつらと話していた途中、コーチの方からふいに発せられたその言葉に、わたしは完全に固まってしまった。

「わたしにとって、それがどう良いか?」

そんなこと考えたこともなくて、しばらく考えたけれど何も答えられず、それ以来、この問いが心のどこかに刺のようにひっかかって、いつまでも消えない。

「わたしにとってどうか」と、わたしは問うことすらしてこなかったのか。

それは利他的であるとかそういうことではなくて、本当はいちばんに向き合わなければいけなかったものを、何年もただ見て見ぬふりをして、ふたをして、ずっと浅いところで忙しそうに足をバタつかせていただけだったのだと思う。

当然、そのツケはじわじわと自分を襲う。

久しぶりに新しい手帳を購入して、1週間単位で振り返りをしたり、課題を書き出しては一つひとつつぶしたり。「なんでこんな簡単なことを、今までできなかったんだ」とぼやきながら、今まで無視してきた何かをつかまえようとしている。