#581 何でもない日常【三日坊主とひとりごと】

なんだか、ここ2週間くらいひどくぼーっとしている。ぱっとしない気候のせいにして、ちょっと時間ができると毛布にくるまってじっとする。晴れていれば散歩でもしたいけれど、なんだかそんな気分にもならない日が多い。曇りのち曇り。

刺激の少ないコンテンツは、こういうときとても助かる。ここ1年くらいで、しみじみ知った感覚だ。

喜怒哀楽の振り幅が少なくて、穏やかな気持ちで摂取できるやつ。そういうエンターテイメントに救われる夜も、少なからずある。日常的な感情に身を委ねられるというか。

そう考えると、自分自身が身を置いている環境が、この20年のあいだにずいぶんと変わったんだな、と思い知らされる。

わたしが10代の頃はまだ田舎に住んでいて、日常よりも“非日常”をエンターテイメントに求めていた。TVしかり、映画しかり、雑誌しかり、小説しかり。

画面や誌面の向こうにあるものはひたすら遠い存在で、憧れたり、ワクワクしたり、ときに感情を乱されたり、考えさせられたり。「コンテンツ」とは、そういうものだと思っていた。

いまは正直、日常の非日常感が強まってしまっていて、それに疲弊してしまっているような気がする。自分からわざわざ非日常的な刺激を得にいくほど、わたしはアクティブな人間ではない。

日用品を買うとか、知り合いとダラダラしゃべるとか、食事するとか、なんかそんなコンテンツに癒されている自分がいる。いまは、ちょっとそんな時期。