ここ半年くらいで持ち物の大幅な処分に着手してきたのだけど、最後の最後まで、手放すかどうか迷ったものがある。
もう10年近く前に買った、ONKYOのまあまあ高級なスピーカー。これまた学生時代からずーっと愛用していたiPod Classic(たぶん、今の若い人には伝わらないのだろう)が直接挿せて、Bluetoothにも対応しているやつだ。
細かいことは覚えていないのだけれど、店頭で迷いに迷った挙句に購入した気がする。確か3万円くらいしたと思う。当時はまだ、iPhoneを音楽プレイヤーの代替として使う習慣がなかったから、PCとつないで音楽を再生していた。
音楽を聴く環境は絶対いる、と思って奮発したつもりだったのだけど、その後、スピーカーを起動する頻度はどんどん下がっていった。
まず大前提として、歌詞がある音楽を流しながらライターの仕事をするのがなかなか難しい。それに自分が多少、音楽をやっていたこともあって、たとえ歌が入っていなくても集中して聴いてしまうから、「ながら聴き」ができない。
他にPodcastやラジオを聴くことも増えて、生活の中で自然に音楽を流すシーンがだんだん減っていった。
最近ではすっかり埃をかぶっていたスピーカー。でも、手放さないことにした。
久しぶりに低音を響かせて音楽をかけてみたら、なんだか懐かしい気持ちになった。こうして音楽に耳を傾ける時間を、今後はまたつくっていこうと思う。