#565 ありがとう【三日坊主とひとりごと】

大好きで、本当に好きで、心から尊敬していて、毎年の公演を楽しみにしていて、その1年、生きる活力をもらっていたパフォーマーの方が、引退した。

突然だったからびっくりして、本当に驚いて、今年、コロナウィルスの影響で休止せざるを得なかった公演のリベンジを期待していたのにもう見られないのかとか、来年からわたしは何を楽しみに生きたらいいんだろうとか、いろんな感情がめぐってきて悲しくなって、でも発表されたメッセージを読んだらやっぱり彼は彼らしくて、「DVDにしない」といっていた作品がなぜか急にDVD化されたのはそういう意味だったのか、とか、最終的には妙に納得してしまったりして。

感情が忙しい。

舞台に通うようになったのは、確かわたしが社会人になってすぐくらいからだったと思う。かれこれ十数年前になるのか。もうそんなにたつのか。

人生でいちばん辛いことが重なって、アパートの部屋でひとり膝を抱えて過ごしていた20代半ばくらいのとき、毎日仕事から帰って延々と繰り返し見ていたのが、その人のDVDだった。

公演がはじまると、同じ作品を何度も見た。劇場に足を運ぶワクワク感や、スタンディングオベーションの熱気や、舞台ごとに毎回変わる空気、人が人を笑顔にする瞬間、いろんなことを体験させてもらった。

書かずにはいられなかったけど、とてもこの文字数ではおさまりきらない。たくさんのすばらしい作品を、本当にありがとうございました。