昨日、ある人に突然「なんで歴史にそこまで興味をもったの?」と質問された。(わたしは歴史を学びたくて、将来何になるとか何も考えずに大学で史学を専攻している)
わたしは小学校中学年ごろから、子ども向けの伝記や歴史マンガを読んで育った。当時は「勉強してる」なんて感覚はまったくなくて、ほかの本やマンガと同様に、面白い物語をただせっせと摂取していただけだった。
学校で歴史の授業がはじまると、暗記ばかりで「なんか思ってたんと違うな?」と思ったけれど、その代わり、小説やらドキュメンタリーやら、“物語”としての歴史にどんどんのめりこんだ。
幕末の志士、戦国武将、新しい道を切り開いた偉人、遠い国の知らない文化、世界中にある謎の遺跡……当時のわたしにとって、それらはほぼフィクションの世界だった。すべて、想像力をかきたてられる、ロマンあふれる物語としてとらえていた。
歴史はフィクションではなく、今に至る現実の延長であることを突きつけられたのは、高校3年生の夏だった。とある、近現代史を題材とした小説との出会い。
いまの社会で起きていること、存在するものにはすべて歴史がある。今まで自分が、歴史を「点」でしか捉えていなかったことに気づいて、唖然とした。
だから「知りたい」よりも、「知らなければならない」という感覚が芽生えた。我ながら真面目か。
でもそこから、ものごとを見る視点が大きく変わった。歴史は決して、暗記じゃない。