決まった時間にしばられることが嫌いだ。と、気がついたのは、29歳で会社員を辞めたときのことだった。
以前いた会社を退職する直前の自分のことを、ときどき、近しい人たちから聞くことが何度かあったのだけど、やっぱり悩みすぎていて泥沼思考に陥っていたらしい。「あの頃、辛そうだったよね」「なんか、ずーっとぐるぐる同じこと話していたよね」といわれて、「あ、わたしそんなんだったのか。そういうふうに見えてたのか」と、はじめて知ることになった。
フリーランスになって、というか正確には無職期間に突入して、人生ではじめて、決まった時間に、決まった場所に行かなければいけない生活から開放された。
下を向いて、イヤホンで耳をふさぎ、満員電車に乗らなくていい日の朝の青空が、まぶしすぎて涙が出そうになったことを今でも覚えている。
毎日のようにルーチンで学校や会社に通うこととか、決まった曜日、決まったサイクルで何かをすることが、自分にとってこんなにストレスになっていたなんて、30年近く生きていたのにまったく知らなかった。
フリーランスや経営者仲間と話をすると、「だってわたしたち、それしか選択肢なかったよね」という結論にたどりつくことが多いのだけど、本当にその通りなのだ。
会社をはじめてからも、基本的に自分をしばる予定を極力すくなく調整するようにしている。
つまりは、真面目なように見えるけど、おそろしく気分屋なんです。すいません。