まあまあ滅入ることが続いていたのだけれど、先週はようやく「あ、これちょっと抜け出したかも」と思えることがいくつかあった。気は抜けないが、とりあえずはいい傾向。
それでも、だいぶどんよりした灰色の休日をやりすごして目覚めると、なんだか外のようすがすっかり秋めいている。時間は誰にとっても平等に無情であり続けている。
しんどい時期をどう乗り切るかとか、悔しい思いをバネにするとか、自分に対する危機意識とか、たまたま見つけた業界の課題とか、そんなことばかりを原動力にして生きてきてしまったわたしは、やりたいことをやる、好きなことを楽しくやる、未来のビジョンを描く……などというポジティブなモチベーションを見つけることがすこぶる苦手だ。
10代、20代はそれでよかった(むしろそれがよかったかもしれない)けれど、30代半ばになって、はじめてそこでつまづいた。
自分の意思がなければ、自ずとすべて「相手の期待にいかに応えるか」を問われる日々になる。歳を重ねるにつれて、それと真っ向から対峙する気力が少しずつ、すこしずつ削られていくのを感じるようになった。
とはいえ、簡単にむくむくと意思がわいてくるわけではない。
週末、ベッドに身体を沈めながらぼんやりと「いま仕事をする必要がなくなったら、わたしは何をするだろう?」と、ふと考えたけれど、特に何も思いつかなかった。それがいいことなのか悪いことなのかは、まだよくわからない。