zoomを使って行うオンラインイベントやMTG、取材が増えたことで、一つ劇的に変わったことがある。
「何でも簡単に映像と音声をアーカイブできる」
特別な機材は不要。PCとネットワーク環境さえあればいい。操作はクリック1回。誰でもどこでもできる。職業柄、どこに行くにもICレコーダーを2個持ち歩いていたわたしにとってはかなり革命的だ。
オンラインイベントを開催するときに、問合せをいただくことも増えた。
「リアルタイムで視聴できないのですが、このイベントはアーカイブ配信されますか?」
オンラインの可能性が一気に浸透して、遠方に住んでいる方、なかなか外出が難しい方が参加できるようになったのは、とてもすばらしいことだ。(実際、それで新たに接点ができた人たちも大勢いる)
ただ一方で、「記録を映像で残すか残さないか」「その映像を公開するかしないか」の判断に関しては、一つひとつの場面に応じて繊細に考えていかなければいけないと思う。
記録に残せる、というのは、記録に“残ってしまう”ことでもある。
それはポジティブなばかりではなく、ときにひどく暴力的な行為にもなり得ることを、くれぐれも自覚しておきたい。
この件に限らないけれど、選択肢が増えるということは、“選択しなければならないこと”がまた一つ、自分の肩の上に乗せられることでもある。
自分の中にある、なにかしらの軸や基準が問われる世の中だ。けっして大げさな話ではなく。