#506 その世界にもぐりこむ【三日坊主とひとりごと】

「何をしているときがいちばん楽しいか」と聞かれると、ことばにいつも詰まる。

別に毎日「つまらない」「辛い」と思って生きているわけではないし、とてもしあわせな暮らしをしていると思っている。

でも「楽しい!!」という感覚をかみしめること自体が、わたしの日常においてはそんなに多くない。(そういう時間を、とくに増やしたいとも思っていない)

ただ、長期休暇のときについやってしまう「楽しみ」は、ある。

数えてみると意外と短いことに気づいて愕然とする、でおなじみの年末年始休暇だけど、今回も例外なく、やりたいこと(主に仕事)がたくさんあった。

やりたいこと、というより、「終わらせてしまいたいこと」の方が正確かもしれない。

ただ年末も仕事は終わらず、年越しするのに帰省したところ、自分が思っていたより疲れていることに気づいて、ゆっくりすごす時間を取ることにした。

東京に戻って、ひそかな楽しみを決行。「長編小説を読みながら寝落ち」。

30代も半ばをすぎ、平日にこれをやってしまうと次の日にすごく引きずるし、休日はだいたい脳みそが灰になっているので活字を思うように追えない。

自然と没頭できる時間が減って、長編小説を読むこと自体が少なくなった。わたしはそれがすこし、さみしい。

長期休暇は、数少ないチャンス。夜、本を抱えてベッドにもぐりこみ、ものがたりに没頭する。その世界に入り込んだまま、眠りに落ちていくのだ。とても楽しい時間。