「好きなことを仕事に」「楽しく仕事したい」——SNSを中心にそんな言葉が気軽に飛び交う世の中になったけれど、わたしは未だに、ピンときていない。
そりゃあ、「楽しくなくてもいい」「嫌いなことも我慢してやる」のがいいとは思わないけれど。
週末、大先輩の優しく厳しいメッセージにふれた。
いずれお気づきになるかと思いますが、うまくいっている人は、視点が外に向いている人です。「自分がやりたいこと」ではなく、「自分が役に立てること」という視点で考えています。
なぜなら仕事は、誰かの役に立つためにあるからです。だから、誰かの役に立つべく、力をつけないといけないのです。
(本文より引用)
新人の頃から、わたしが考えていたことはたったひとつだ。「この社会の中で、いま自分が持っている武器で戦える(=誰かのニーズがある)場所はどこか」。
それはまあ、就活に失敗したからそう考えざるを得なかったのだけど。
現在もその思考は変わらず、働いてこの方、自分が何が好きなのかとか、どうやって仕事を楽しくするかとか、考えたことがない。だから「やりたいことをやってよ」「楽しくやりましょうよ」といわれると戸惑ってしまう。
いま、私はいろいろな会社の広報活動を支援する仕事をしている。こういうと語弊があるかもしれないけれど、ぶっちゃけ、「自分が共感できる」会社を選んでいるわけではない。
わたしたちの生活を支えてくれてる“仕事”には、地味に見えるものがたくさんある。
「いい組織!」「いいプロダクト!」「素敵な世界観!!」というように、必ずしもわかりやすくワクワクできて、誰もが共感しやすい会社や事業ばかりじゃないのだ。
わたしはそういう環境でがんばる人を、少しでもバックアップしたいと思う。そういう仕事の選び方だってあるよ。