#429 ひこうき雲、によせて【三日坊主とひとりごと】

さっき紅白を見ていたらユーミンが登場し、おもむろに『ひこうき雲』を歌ってくれて、まだその余韻にひたっているわたくしですが、みなさまあけましておめでとうございます。2019年もよろしくお願いします。

そんなことより、『ひこうき雲』である。

2013年に公開されたスタジオジブリの映画『風立ちぬ』のエンドロールで、この曲が流れたときの感情は、いまでもうまく言い表せない。

わたしは子どもの頃から、根っからのスタジオジブリ……というか、宮崎駿監督作品のファンだ。

ファン、というのもなんかちがう気がする。もはや息を吸うように、その作品世界に何度もくりかえし、当たり前にふれてきた。

「どの作品がいちばん好きか」と問われたら、まあそのときの気分や状況によって変わるんだけど、だいたい1位を争うのは『紅の豚』と『天空の城ラピュタ』である。

ただ、「好き」とかそういう領域を完全に超えて、ひとつだけ、完全に“例外”として特別枠にそっとおさまっている作品がある。

それが『風立ちぬ』。

2013年は、ちょうど30歳になった年だった。

「創造的人生の持ち時間は10年だ。君の10年を、力を尽くして生きなさい」

劇中で、主人公が尊敬する人物からかけられるセリフ。

なんだかその言葉が、そのときのわたしにはやたらと響いた。

あれから、もう5年が経ってしまった。わたしは力を尽くして生きてこられただろうか。

後半戦、さらに力を尽くしていきたい。