#426 女29歳のアラート【三日坊主とひとりごと】

どうにか35歳まで生きてきたわけだけど、振り返ってみると「あの時期って、一体なんだったんだろうな」と思うカオスな年がある。これまででいちばん、いろんなものにドタバタとぶつかってはもがいていたのが、29歳の年だった。

当時、わたしは勤めていた会社でものすごく煮詰まっていた。

中途入社して4年目。とっくに仕事には慣れていたけれど、がんばればがんばるほど、身にかかってくるものは増える一方だった。思うような成果にもつながらなかった。

目の前にはひたすら「やるべきこと」だけが積み上がっていって、わたしは呆然と、その山を見上げることしかできなくなっていた。

これからの人生のことについても、すごく考えた年だった。結婚を考えた人は特にいなかったし、願望もほとんどなかったんだけど、30歳を目前にして、これからもし結婚・出産したくなったらけっこうギリギリだよな、なんていうモヤモヤが、疲れたアタマの中にいつも浮かんでいた。

結局、イスから転がり落ちるようにわたしは会社を辞めた。その後フリーになったのを機に、停滞していたなにかは、少しずつ振り払われていった。

あの年は一体、なんだったんだろう。

29歳は、手放すものと手元に残すものを点検する時期だったんだ。20代に置いてくるもの。30代になっても持ち越すもの。それらを棚卸しすることは、自分を見つめ直すことにほかならない。

男性と女性で、こうした「アラートがなる年」は違うんだろうなと思う。だからこの「遺伝子レベルのアラート」って、ほんとに言い得て妙すぎる。

ちなみにドタバタ第2章は去年(つまり34歳)にやってきたのだけど、その話はまたの機会に。