#409 あなたがいうことじゃない【三日坊主とひとりごと】

それ、あなたがいうことではないよね?

と、いうシーンが日常の中にはけっこうある。

制作会社時代、よくあったのが「おたくの実績になるだろうから、その点も鑑みて見積もりして」つまりは、「もっと安くしろ」という交渉だった。フリーランスになってからも、たまにあったかな。

その仕事が実績になるかどうかは、あなたが決めることじゃない。

わたしが「これは実績になるから、無料でもいいのでやらせてください!」というのとは違う。“Win-win”でいうところの片方の“Win”が、ほんとうのWinになっていないケースだ。

わたしは何度かアシスタントさんを募集してきたのだけど、そこでもひとつ、とても気になったことがある。

「とても興味があるので、ぜひ勉強させてください!」

いや、わたしは「勉強したい人」ではなく「仕事をしてくれる人」を募集したのだ。アシスタントとはいえ。

もちろんわたしは、仕事をしてもらう代わりに、その人にとってちょっとでも勉強になることがあればいいな、とは思っている。

でもそれはあくまでも「わたし」の考え方であって、あなたがいうことではない。

エラそうに書いたけれど、きっとわたしも「あなたがいうことじゃない」と思われてることが、ときどきあるんだろうなと思う。要は、相手の立場をくみきれていない場面が。

すべての視点を網羅はできないけれど、ときどき我が身を振り返って気をつけたい。いつも、謙虚さを忘れないこと。