#407 錯覚バンザイ【三日坊主とひとりごと】

はじめはただ、離れた友人たちと雑談するツールだった。もちろんみんな匿名で、顔出しなんて誰もしていなかった。

それから4年後。仕事で使うため、SNSをぜんぶ実名顔出しに変えた。最初はちょっとだけ抵抗があったけれど、もうすっかり慣れてしまった。フォロワーさんはこのあいだ、2,000人を超えた。仕事の募集をすると人が集まってくれるようになった。同業者のイベントや交流会で、「Twitter見てます!」と、ときどき声をかけられる。

ちょっと前にSNSで話題になっていた、この本。

あまりにも真理をついていて、笑ってしまった。錯覚。そう、人生においてほとんどのものごとは、錯覚で動いているのかもしれない。SNS上で築いているようにみえるものなんて、ほとんどは錯覚だ。

思い返してみればわたしの人生、けっこうな“錯覚資産”に助けられてきたと思う。一部は自分の努力もある(と思いたい)けれど、そのほとんどは身を置いた環境が下駄をはかせてくれただけ。

一方で、自分が意図したわけではない“錯覚”に苦しんだ時期もある。とくに20代の頃はきつかった。

過剰に持ち上げられる。勝手に実力以上の期待をされて勝手にがっかりされる。実態との乖離。そう受け取られてしまうのは自分のせいでもあるのだが、当時はどうしたらいいのか全然わからなかった。

最近はあきらめているけれど、「それ錯覚だよ!」と叫びたくなることも、まあ、あるんですよ。