カートに入れたまま注文していなかった防災グッズ一式のことを、ふと思い出した。女性ひとり用の、リュックサック型のやつだ。
あらためてカード番号を入力すると、「発送は8月中旬」の案内。各地のニュースに、なんだか心がざわついた夜。みんな考えることは同じなのかもしれない。
TVのない生活もずいぶん長くなり、頼るものといえばTwitterとネットニュース、あとはラジオ。
ほんのすこししか離れていない場所で起きている事態がTLに流れてくる。
何もできないし、どうしたらいいのかもわからず、私はわたしの生活を続けるだけなのだけど。
ぼんやりしていたら、突然ガタン、と家が揺れた。
ちょっと不安定な形をした棚がぐらぐらしている。揺れ、長い。思わず、ごろんと横になっていた身体を起こして棚を支えた。
ひとり暮らしが長くて、むしろシェアハウスなんかに住むのは考えられず、ひとりの方が気楽と思っているくらいなんだけど、こういう夜だけは無性に心細くなる。
東日本大地震が起きたとき、わたしは会社にいて、周りには同僚がいて、家には妹がいた。それだけのことが、どんなにありがたかったか。
ただ、ひとりだろうと家族と一緒だろうと、どんなに万全に備えていたって、どうにもできないことも起きるだろう。
ちょうど水を切らしていたので、カクヤスにミネラルウォーターを箱で注文する。ちょっと考えて、いつもより一箱多く。
せめて、今できる備えをしておこう。