#371 「心理的安心・安全」の定義【三日坊主とひとりごと】

人生になにかビジョンや目標があるか、と聞かれると、実は返答に困る。

20代の頃に仕事に必死になったのは、「あ、わたしこのままじゃ社会でなんの役にも立たないんだな」という危機感からだった。

とにかく経済的に自立しないと、生きていかないと、という焦りが大半だった気がする。

ようやく「世の中にそういう風に困っている人がいるんだったら、貢献できるようになりたい」と思えるようになったのは、本当に最近だ。

目の前のことしか考えてこなかったし、今も目の前のことにずいぶん追われて暮らしている。計画もキャリア設計も何もなかった。気がついたらここにいた、みたいな感覚。

だから「仕事は楽しくやりたい」とか、「好きなことを仕事にする」とか、そんなことも考えたことがなかった。今でも「何してるときが一番楽しいですか?」と質問されると、ぐっと詰まる。(楽しくないわけではないんだけど)

そんなことを考えている中、ちょうどこの本を読んだ。現代を生きるうえで必要な「心理的な安心・安全」というキーワードがたくさん出てきた。

わたしがここ数年、ストレスがほとんどない状態で仕事できているのは、好きなことを仕事にしているからでも、ただ単に仕事が楽しいからでもないんだと思う。

「それなりのスキルが身について、とりあえず何かしらは誰かの役立っているらしい」というかすかな手応え。たぶんそれが、わたしの「安心・安全」につながっているのだろう。