#351 水面下を、粛々と泳ぐ【三日坊主とひとりごと】

「企業広報の仕事」とひとくちに言っても、いろいろある。マジでいろいろある。わたしの場合はクライアントワークがほとんどで、しかもメディアの署名記事だったり、コピーワークが雑誌に取り上げられたりするような仕事はまれだ。

95%くらいは、表に名前がでない地道な仕事である。経営者のお話を聞いてゴーストライティングしたり、採用に必要な情報発信をお手伝いしたり、営業パンフレットの情報整理をしたり、顧客事例をまとめたり。

自分の専門分野について「話せる人」はたくさんいるのだけど、「それを誰にでもわかりやすく噛み砕いて理解してもらえるように簡潔に書ける人」は、そんなにいない。

だから、わたしみたいな仕事が成り立っているわけだけど。

そういう仕事は、あまり……というかほぼ、SNSやインターネット上になかったりする。制作会社が担っていたり、企業の中で困っている人がいたり、とても泥臭いところに仕事がある。

わたしは署名記事をばんばん出したいとか、書籍に携わりたいとか、著名人にインタビューしたいとか、あまりそういう願望がない。

だからライターといっても、そのくらいの感覚、「たぶん人よりはちょっと、書くことが苦じゃなくて得意な方」みたいな人(わたしもそうなのだが)の方が、この仕事に向いているんじゃないかと思っている。

この先どんなに時代が変わろうと、企業活動がゼロにはきっとならない。意外と堅実な仕事なんじゃないかな。