いつだったか、誰にだったか忘れたけれど、「忙しくても、15分とか30分とか、空き時間に原稿をちょっとずつ書けばちゃんと締め切りまでに終わるんじゃないの」みたいなことを言われたことがある。
無茶いわんでくれ。
と、全力で否定した記憶がある。
人によるのかもしれないけれど、ある程度の長いインタビュー原稿なんかを書くには、それなりに没頭できる環境を整えたり、まとまった時間を確保したりする必要がある。少なくとも、わたしは。
取材のときのことを振り替えりながら、じっくりとその時間を反芻し、書くべきことを一つひとつ拾い上げていく作業。
本当にその言葉づかいでいいの? おっとその前に、この構成で伝えたいことは伝わるだろうか。長くない? いや、軸がなんだか弱くない? この人こんな感じの口調だったっけ? なんだか空気感が違うんだよなあ。
……そんな試行錯誤、細切れの時間でできるかいっ!
わたしの仕事の半分は編集やディレクションなので、調整業務とか、お客様とのやりとりとかに時間を取られ、気づけばもう夕方やん……みたいなことも、多々ある。
以前はそのあと夜に原稿を書いていたけれど、脳みそを切り替えるためにも、「執筆日」と「調整日」は、ある程度わけることにしている。
じゃないと、原稿がいつになっても書き終わらない……というか、着手すらできない状態でいつのまにかお尻に火がつく。いや、まあ、実はいまもちょっと、そうなんだけど。