#341 永遠に理解できない、狂気と真実と(1)【三日坊主とひとりごと】

このあいだ「歴史」に興味をもったきっかけを書いたら、なんだか学生時代のことをいろいろ思い出してしまった。

「大学で史学科にいた」と話すと、必ず次のような会話になる。

相手:「へぇ、どんなこと勉強してたんですか?」

私:「中国史ですね」

相手:「あ〜、三国志とかそういう感じ?」

私:「いえ、専攻は現代史で」

相手:「ふ、ふーん(よくわからん)」

そりゃそうだ。よくわかんないよね。

山崎豊子さんの作品に『大地の子』という小説があるのだが、わたしは高校3年生の夏、この社会派フィクションに打ちのめされた。

中国残留孤児についての悲惨な歴史にも衝撃を受けたのだけど、もっともっとショックだったのは、文化大革命についての記述だった。

自分が生まれるわずか10年前まで、隣の国で起こっていた人的厄災。ひとりのカリスマ指導者が招いた負の歴史。

なぜこんなことが起こってしまうのか、なぜひとつの国でこんな狂気がまかりとおってしまったのか、どうにもならなかったのか、誰かがどうにか正すことはできなかったのか。

その答えが、知りたかった。

結局、当時の中国にも民主主義を提唱していた知識人たちがいて、その一派は政治勢力になることができなかった……というあたりを苦しまぎれに卒論にまとめて、わたしの学生生活は終わった。

文革だけじゃなくて、今でも興味がある。「なんでそんなことが起きなきゃいけなかったのか」という、歴史上のできごとに。

(つづきます)

参考

漫画で解説:文化大革命とはの巻 – 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20161006/mul/00m/030/00600sc

文化大革命を君は知っているか? 中国にはかつてこんな時代があった http://www.huffingtonpost.jp/2016/05/28/these-vintage-propaganda-posters_n_10176520.html