#301 涙を流すように、書く【三日坊主とひとりごと】

眠れない夜はだいたい些細なことで心がぐらついていて、脳みその半分くらいを、どうでもいい心配ごとだったり、不安だったりが占拠している。

今日も、なんだか眠れない。めずらしく、宇宙で派手にドンパチ戦うSF映画を立て続けに見たのもよくなかったかもしれない。

案の定……というべきか、最近すごく、身につまされたことがあって。

わたしはどうやら、“書くこと”で自分のこころのなかの何かを、浄化しているようだ。

書く仕事のストレスは、別の何かを書くことですこしずつ、どこかに追いやっている。

だからそれを怠ると、すぐに眠れない夜がおとずれる。

「気分転換になにしてますか?」

そう聞かれるとき、いつもはたと考えこんでしまう自分がいた。

思いつかない。とはいえなにかは、あるはず。書くこと好きです、仕事楽しいです、だからぜんぜんストレスありません!

……そんなこと、あるわけない。いつもいつも胃がよじれそうになりながら、文章を書いているのだから。

考えた末の、結論。「書くことの負荷は、別の何かを書くことで」、「仕事のストレスは、他の仕事で」、自分のなかから洗い流している。わたしの場合。

まだ10代の頃に好きだったボーカリストが、「自分にとって歌は排泄みたいなもの」と答えていたインタビューを読んで、すごくショックを受けたことがあった。

でも、今ならなんとなく、わかるような気がする。“アウトプット”なんていう、洒落た言葉は似合わない。