#268 ただの駄々っ子【三日坊主とひとりごと】

写真を撮られるのが苦手だ。

子どもの頃は親がいろんなシーンを
撮ってくれていたけれど、

思春期にさしかかった中学生以降は
積極的に写真を撮ったり、
撮られたりしてこなかった。

当時はまだ、カメラといえば
「写ルンです」がデフォルト。
プリクラが登場して、一世を風靡していた。

高校、大学時代の写真も
数えるほどしか残ってないし、

社会人になってからの
写真にいたっては皆無に近い。

できるなら、
そのファインダーの外で
ひっそり生きていたかった。

ケータイの「写メ」が一般的になり、
すぐにスマホが普及して、
カメラよりも画質のいい写真が
撮れるようになった。

「ライターだ」と名乗れば
当然のように、仕事としての“撮影”を
求められることも増えた。

ただ、人の古い写真を目にすると
「なんか、いいなあ」と思うのだけど。

その人が生きてきた歴史。
積み重ねた時の重みを感じられて。

それでもやっぱり、私は写真が苦手なのだ。
撮るのも、撮られるのも。