#215 ある朝の風景【三日坊主とひとりごと】

目が覚めると、
カーテンのわずかな隙間から
やわらかな光がさしていた。

ひとつ大きく伸びをして、
ほんのすこしだけ
カーテンをあけ、
ふたたびベッドにもぐりこむ。

うつらうつらしながら、
わたしは意識のどこかで
朝食のメニューを
あれこれ考えはじめた。

ちゃんと出汁をとった
みそ汁を作ろうかな。

いや、角のパン屋の
焼きたてマフィンも
すてがたいな。

そのまえにやっぱり、
SHOZOで買ってきた
コーヒーを挽いていれなくちゃ。

散歩がてら、
ちょっと足を伸ばして、
いつものサンドイッチセットを
食べに行こうか。

そうしたら、
帰りに公園によろう。
きっと今頃、梅の花が
見ごろだから。

あっ、それなら
お昼にビールを買って
外でランチってのもありかな。

まどろみの中から、
すこしずついつもの世界に
引き戻されていく。

ようやくベッドから出ると、
まだ薄暗い部屋の中で
ぼんやりした光が見えた。

書きかけの原稿が映る
Macのディスプレイ。

「すみません、仕事します」