私はこれまで一度も
自然災害に悩まされることなく
生きてきた。
というか、生きてこられた。
まともに「地球の恐ろしさ」を
体感したのは、
東日本大震災がはじめてだ。
「体感した」といったって、
立っていられないほどの
揺れを感じ、慌ててビルから
飛び出したのと
会社から数時間歩き
なんとか帰宅した程度のこと。
確かな危機感は抱いたけれど、
それは日常のなかで
すこしずつ、うすれていって。
ここ最近、たまたまご縁があり
熊本地震の被害状況に触れる
編集の仕事をしていた。
まさにその原稿を
書いていた、そのとき。
「鳥取県で震度6」
目に飛び込んできた
ニュースの文字に、
心臓が凍りついた。
さすがに最近、水の貯蔵や
備蓄食料・日用品を意識して
まとめ買いをするように
なっていたのだけど。
今後いつ「東京で震度7」という
状況に直面するかわからない。
その「いつか」が
またすこし、近づいたような気がして
できる限り、ちゃんと
備えておこう……としみじみ思った。