世の中には、自分の想像力なんて
まったく及びもしない現実がある。
そう、思い知らされる瞬間がある。
ひさしぶりに、がっつりと
事件もののノンフィクションを読んだ。
きっかけは、HONZのこの記事。
▼『殺人犯はそこにいる』「真犯人」の存在を明らかにした “調査報道のバイブル” – HONZ
http://honz.jp/articles/-/42843
正直、仕事で右往左往しているときは
重い話題は受け止めきれない。
そんな言い訳をして、
ここ数年はほとんどノンフィクションに
手をつけていなかった。
この本を手に取ったのも、違うジャンルの
「文章の勉強」くらいのつもりだった。
最初の1行から、全部一気に読んだ。
いや、“読まされた”と言ったほうが
近いかもしれない。
頭を思い切り殴られたような衝撃。
これが全部、事実であるということが
ショックだった。
客観的な記録でありながら、
著者である清水潔さんの
切なる想いが、ビシビシ伝わってきた。
「聞いて、書く」という
行為は同じであっても
ここまでのものを背負って
戦っている人がいること。
畏敬の念を抱くとともに、思う。
「さて、私はどうする?」