#146 江戸の人情とハードボイルド【三日坊主とひとりごと】

ハードボイルド小説が
すきなのだけど、

ここ1年くらいで
とくに読むようになったのが

藤沢周平さん。

存在はもちろん、
前から知っていた。

でも今までは、
「ハードボイルド」だなんて
思っていなかったし、

歴史ものといったら
どちらかというと

フィクションより
史実にもとづいた、
わかりやすい物語を
好んで読んでいた。
司馬遼太郎さんとかね。

そしてハードボイルドといえば、

ベージュのトレンチコートに
斜めにかぶった中折れ帽、
そしてバーのカウンターで
ギムレットを一杯…みたいな
世界観の翻訳小説ばかり
イメージしていたけど。

藤沢さんの描く江戸の街にも
たしかにそれらと同じ
空気が流れている(気がする)。

キザなセリフ回しはないけれど、
内に秘めた人情の熱さ。

そしてもうひとつ、
藤沢さんの書かれる
日本語のうつくしさ。

情景の描写とか、登場人物の心情とか。
ついつい、引き込まれてしまうのだ。

ライターになってから読みはじめたので、
余計文章が心にしみる。