(前回からのつづき)
世界をみわたすと、「なんでそんなことが起きなきゃいけなかったのか」と全力で首を傾げたくなる歴史的なできごとがたくさんある。
もちろん、日本にも。
永遠に理解できる日はこないだろうし、真実なんてものはその時代を生きた、当の本人たちにしかわからないのだと思う。
それでも、歴史に挑んでいこうとする研究者やジャーナリスト、さまざまな視点からものがたりを描こうとする作家の方達の目を通して、ときどき、わたしもそうしたできごとに触れ、あれこれ考えをめぐらせたりする。
ここ数年で、いろいろと関連書籍を読んでいるのは連合赤軍事件まわりのこと。日本でもこんな事件が起きていたんだ、という純粋な驚きと、「なんでまたそんな若者たちが狂気への道をひた走ってしまったの」という、心の底からの疑問。
そしてもうひとつ、オウム事件。基本的にはこれも、同じだ。驚きと疑問。
95年当時、私は中学生で、TVワイドショーで切り取られた断片的な情報しか摂取してこなかった。今になって、「ただ頭のおかしいヤツらが犯した事件」と片づけていいのか、という気持ちが生まれている。
なんでそんな重苦しいこと、と、思われるかもしれない。
でも人間って基本的に、古代から現代まで、おんなじようなことを延々と繰り返してきた生き物だから。
ひょっとしたら近い未来、おなじようなことが起きる可能性もある。だからせめて、その背景を理解しておきたい。