私は「書き手」ではあるけれど、
記者ではないし、
ジャーナリストでもない。
だから、最新の事件や事象を
追うことはほとんどない。
仕事をはじめてから、
それはずっと変わらないことだ。
でも、最近ときどき考える。
2011年3月11日。
あのとき、自分がもし今の立場……
フリーライターだったとしたら。
私はなにか、行動していただろうか。
「書き手」として、
なにかしらの使命感を抱いただろうか。
正直なところ、自分でもよくわからない。
「絶対にそうしていた!」と、
言い切れるほどの自信もない。
実際のところ、
当時の私が考えていたことは
「明日、会社行ったほうがいいのかな?」
「あの仕事、スケジュールどうしよう?」
それが目の前の現実であり、
そんな自分にほとほと嫌気がさしたのも
事実だった。
7年のときを経て、
私は、はじめてこの場所を訪れている。
取材の直接的なテーマではないものの、
やはりどこか、心のどこかで
ずしん、と感じるものが拭えない。