もう10年ほど前の話。
私がはじめて転職した会社は、
別に採用活動をしていたわけではなかった。
それなのにわざわざ面談の時間を
作ってくれたのは
(そして最終的に採用してくれたのは)
「エントリーの文章がよかったから」
だったそうだ。
一応「常時募集」状態だった
その会社のエントリーフォームは、
改行すらできない
1個のテキストボックスだった。
長文を貼り付けたら読みづらすぎる。
それでも伝えるべきことは
伝えなければいけない。
私は逡巡し、Wordに打ち込んだ
自分の想いの丈を何度も何度も
推敲しては書き直した。
サイトをすみずみまで熟読して、
共感した内容について素直につづった。
魂こめて書いたら、文章だけでもこんなに
人に伝わることもあるのかと
実感したはじめての経験だった。
逆に、手抜きの文章は1秒でバレる。
人の自己紹介文などを
見る機会が増え、余計にそう思う。
私自身も、
あのときの必死な気持ちを、
忘れずにいたい。