「100年時代の人生戦略」という
ある本のタイトルをみかけたとき、
思わずめまいがした。
身ぶるい、といっても
過言じゃないかもしれない。
正直なところ、
ほんの数ヶ月先のことも
よくわからないまま
日々を過ごしている今、
「100年」なんていわれても
ただ生返事をするほかない。
がんで他界した母は、そのとき58歳だった。
ようやく3人の娘が成人した矢先。
それ以来、私は自然と
人生の長さの基準を
「60年」を目安に考えるようになった。
30歳になったときも、
「ああ、折り返し地点にきたな」
と感じていた。
ときどき、ふと思うことがある。
私が生きることを許された時間は
あとどれくらいあるんだろう、と。
そう考えるようになってから、
いわゆる“老後”をふくめた未来に、
思いを馳せている余裕はなくなった。
私は今年、34歳になった。
同い年で、母の姿とも重なり
心を痛めていた女性の訃報を聞いた朝。
小林麻央さんのご冥福を、
こころから、お祈りします。