太陽の光(やわらかな木洩れ陽)と、
ささやかなそよ風が届く
窓辺でぼんやりと読書する。
久しぶりにそんな
ゆったりとした時間を過ごし、
ひとごこちを取り戻した気分。
太陽の光というのは、
ほんとうに大事、と
うつらうつら、
うたた寝をしながら思う。
20代の頃に住んでいたアパートは
向きが悪く、窓も小さくて
陽がほとんど入らなかった。
昼間でも蛍光灯が必要で
ふとんを外に干すこともできなくて。
ほとんど、家には
寝に帰ってるだけみたいな
毎日だったから
当時はさほど、
気にしていなかったのだけど。
5年前。今の家に引っ越してきて、
私は愕然とした。
大きな窓から、陽の光が
やわらかく届く部屋。
今までの生活は
一体何だったんだ。
本気でそう思った。
部屋の中でも陽がさすこと、
それによってもたらされる
なんともいえない多幸感を
私はすっかり忘れていた。
健全な暮らしに、太陽は欠かせない。
次に引っ越すときも、
最優先事項は「陽当たり」と
心に決めている。