「行きたいなー」と思っていた
展示会やライブに、
最近ことごとく行けていない。
いや、行けばいいのだ。
それだけなのだ。
だって、東京にいるんだから。
自分の住む地域に、
閉塞感を感じるようになったのは
たぶん中学生くらいだった。
私が育ったのは
まあまあ田舎で、
最寄駅にとまる電車は
1時間に1本。
CD1枚、本1冊買うにも
車で20分くらいの
ショッピングセンターに
行かなければならなかった。
雑誌は季節に関係なく
ずーっと大事に取っておいて、
飽きるほど眺めていたし
CDは、歌詞をそらで
書けるくらい繰り返し聴いた。
でも私はその生活を、ずっと
続けるイメージが持てなかった。
東京に出てきて、もう10年以上たつ。
選択肢は常に、
やまほど目の前にある。
行きたいイベントがあれば
仕事帰りに立ち寄れる。
夜遅くても、ひとりで
過ごせる場所がたくさんある。
私は東京が好きだ。
「あの展示、行けなかったな」
ふとあの頃の自分に
「ごめん」と言いたくなる。