#134 冷たい汗【三日坊主とひとりごと】

基本的にはひとり暮しを
謳歌してるタイプなのだけど、

唯一、心が折れそうになる瞬間。
それが地震だ。

部屋にひとりでいるときに、
大きめの揺れを感じたときの
心ぼそさといったらない。

東日本大震災が起きた2011年3月。
まだ会社員をしていた私は、
新宿にあるオフィスで
いつものように仕事をしていた。

まあすぐおさまるんじゃない?
と思った揺れは一気に大きくなり、
あわててみんなで机の下へもぐった。

揺れが収まってから外に出たときの
街の異様な空気は、今でも忘れない。

とっさに頭に浮かんだ、
家族や友人たちの顔。

早く帰らなければ、と焦りをおぼえた。

あのとき、本当に
「ひとりじゃなくてよかった」と
心から思ったものだ。

(あと数十分早かったら、
私は営業先の汐留に
取り残されていた)

先日の地震が九州を襲ったころ、
私は家でひとり、仕事をしていた。

日本に住んでいる限り、
「もしも」はかなりの確率で現実になる。

冷たい汗が、
背筋をつたった。