3月は魔窟だ。
企業がお客さまだと、
年末や年度末は
案件がかなり立て込む。
採用関係とか、
会社案内の見直しとか、
あとはまあ、
余った予算消化とか（笑）
3月は稼ぎどき、がんばりどき。
だけど3月は、自分自身も
いろいろなことを
振り返ったり、
見直したりする時期でもある。
大学卒業したけど
就職が決まらず、
ほとんど半泣きしながら
土地勘もまるでない
“トーキョー”を
ひたすらさまよっていた
22歳当時の3月とか
30歳になるのを前に、
えいや！と会社を退職したものの
さてこれからどうすっかねー、と
減る一方の財布の中身を
ぼんやりと見つめていた
29歳当時の3月とか
田舎にありがちな
閉塞感に辟易していて
やっと違う土地で、
念願のひとり暮らしをはじめた瞬間
猛烈なさみしさにおそわれて
たぶん大人の階段を1段くらい
上ったと思われる、
18歳当時の3月とか。
仕事をはじめてからの3月は
だいたい“魔窟”だけど
3月にはいつも、
忘れられない何かがある。