#006 コーヒー遍歴【三日坊主とひとりごと】

会社づとめをしていたころ、
日頃飲んでいたコーヒーはもっぱら缶コーヒーだった。

今、思いかえすとおそろしい。

「休憩のためには
 何かしらコーヒー的なものを
 摂取しなければならない」

という強迫観念にかられる
ただのカフェイン中毒。

自宅で仕事するようになって、
缶コーヒーはインスタントコーヒーに格上げされた。

ただしそれも「コーヒー的なもの」
に変わりはなかった。
砂糖もミルクもたっぷり必要な、黒い液体。

コーヒー的なものではなく、「珈琲」を
ちゃんと味わうようになったのは、最近のことだ。

街の珈琲屋さんで豆を買うようになり、
ドリップするためには中挽きがいいということも覚えた。
浅煎りと深煎りの違いもわかるようになった。
コーヒーミルを買い、豆の鮮度にも気をつかって。

めんどうくさがりな私だけど
毎朝飲む、一杯のコーヒーだけは
きちんと自分で淹れてひといきつく。

これが“上質な暮らし”?

いや、単なるカフェイン中毒者の自己満足です。