#711 実体のあるものが欲しかった【三日坊主とひとりごと】

去年はじめて客として文フリに行って、なんとなく「自分も参加してみようか」と思ったことに、自分がいちばんびっくりした。創作とか、自分の作品をつくるとか、そういうことにほとんど興味がないからだ。なんなら今もぜんぜんない。

そこからいろいろ、今までとは違う界隈の情報を得たりしてみて、世の中には自主制作本を個人で販売できるイベントがいくつかあることを知った。

「出てみようかな」と思った最大の理由は、この「三日坊主とひとりごと」のアーカイブが10年分、記事数にして700本超すでにあったこと。2024年3月にはじめたメルマガも、月2回発行していたらトータルの文字数が3万字を超えていて、ひとまず製本して成り立つ分量がすでに手元にあった。

「いつか本にしよう」なんて、微塵も思ってなかったし、何なら今も「いやべつに本にして売るために書いたわけではないんだけど」と思う自分もいる。

なんで「出てみよう」と思ったのか、自分の感情の動きがよくわからなくて、ここ2週間くらいずーっとモヤモヤを抱えていた。

すぱん!と、突如脳内に、そのモヤモヤに対する答えが降りてきたのは、つい最近のこと。

10年以上、「情報」や「文章」のような形のないものを商材にして仕事をしてきたわたしは、そろそろ、物理的な実態のあるものをなんでもいいから手元でつくって、対面で、手触りのあるやり取りをしてみたかったのだ。あくまで仮説だけど、たぶんそうだ。