職業柄、何か思いついたり
気になったりしたことは、
マメに書き留めるほうだ。
しかしときどき、書いた本人も
なぜそれを書いたのか
一体なんのメモなのか
すっかりわからなくなることがある。
ちなみに、昨日メモ帳から
発見した意味不明なフレーズ。
「ほんとうに
タネもしかけもない
シルクハットからは、
白い鳩なんて出てこない」
……なんのポエムだよ。
首をひねって考えたけれど、
一体何のメモなのかわからない。
仕方ないので、
自分で解釈してみた。
***
誰もが“白い鳩”を、
シルクハットから
華麗に取り出したいと
願っているけれど
一生懸命「タネやしかけ」を
探して、研究して、
試行錯誤しながら必死で練習する
そのプロセスを
軽んじる人が多いのもまた事実。
「プロだから当たり前」
そう、できて当たり前。
でも、タネやしかけを
仕込むプロセスに
血のにじむような
努力があることを
理解するのはムリでも、
せめて想像できる人間でありたい。
***
…そんなところかな?