「聴く」という仕事は、非常に精神力が必要だ。それに気がついたのは、ライターを名乗って仕事をはじめ、少し慣れてきて平日の日中に取材のアポを詰め込みまくった結果、生活が破綻してメンタルのバランスを崩したたからだった。
自分自身のMPがもうすれすれまで減っていることに、当時のわたしはまったく気がつかなかった。
以来、取材の予定は基本的に1日に1件しかスケジュールを入れないことにしている。
ここのところ少しずつまた仕事量を増やしているのだけど、けっこう重めの「聴く」仕事が続くと、自分のなかでMPアラートが点滅する。
わたしはライターなので、原稿を書くために「聴く」仕事をずっとしてきたけれど、最近、その手前の「聴く」仕事がちょっとずつ増えている。
問いを投げかけて相手の思考を整理する。壁打ち相手になる。第三者として複数人が「話せる」場をつくる。
「書く」作業はとても骨の折れる仕事なので、その手前の「聴く」ところまでで終えられるなら楽なのにな、と浅はかに思っていたこともあった。
「書く」と同じくらい、「聴く」ことは大変だ。
ここらへんのスキルやノウハウはもちろん、自分が考えている「聴く」「書く」作業について、棚卸ししたいなと思いはじめて早数年がたつ。
あんまりできる気がしないけれど、年齢的にも、キャリア的にもそろそろそんなことをやるべきなのかもしれない。
でも「本当にそうなの?」と思う自分もいる。明日はどっちだ。