通っていた高校の近くに、
はじめてスタバができたのは
もう15年前くらいのこと。
通学路の途中、ファッションビルの一画に
入った小さなちいさな店舗だった。
たちまち話題になり、
どうやら「キャラメルマキアート」
というのが美味しいらしい、と
いうことがわかって
試験終わりの午後、
友人たちと学校帰りに
列をなしたものだ。
テイクアウトのコーヒーに
390円を払うというのは
私たちにとって
ものすごく革命的なことで
なんせ、好きなアーティストの
シングルCDを買うのに(1枚1000円)
音楽雑誌をチェックし、
発売日を調べておいて、
前の月からおこづかいを計画的に
残していたような頃の話である。
もはや今では、当たり前のように
500円のコーヒーを飲んでしまう
でもときどき、あの頃「特別なもの」として
楽しみにしていた、
“スタバのキャラメルマキアート”を
ふと思い出す。
ちなみにコーヒーの味を
覚えてからは、
タリーズ派になってしまったのだけど。