#577 決意のあと【三日坊主とひとりごと】

部屋の中でいちばん大きかった棚を、思い切って粗大ゴミに出した。昨年からちょっとずつ部屋の中のものを整理してきたのだけれど、いよいよ最後の大物家具。

まあまあおしゃれっぽいオープンラックで、収納をがっつりというより飾り棚的な要素も強かったから、片付けてみたら大してものが置けておらず、だんだん「わたし、何でこれ買おうと思ったんだっけ」と疑問に思い出す始末。

どうにか解体して部屋から運び出し、戻ってきたときの部屋が広すぎて思わず笑ってしまった。

まとめてワゴンにのせていた観葉植物たちが、いきなりイキイキして映えだす不思議。それを感じられただけでも、「あ、この選択は間違ってなかったんだな」と思えてよかった。

すこしずつ自分を身軽にしてきた去年からの行動が、正しい方向を指しているような安心感というか。

自分の中で小さな決断をするとき、決めるまではさんざん迷宮に入り込んで一歩が踏み出せないことも多いけれど、いざ足を踏み入れてひと呼吸おいてみたとき、ふと「あ、これでよかったんだ」と実感できる瞬間がおとずれることがある。

毎回、それを感じるわけではないんだけど、今回は最近、自分のまわりでうずまいているいろんな思いと相まって、「大きな棚を捨てる」というさして珍しくも何ともない行為が、思った以上に自分に深い感慨を与えて驚いた。

今の自分の身の丈にあった荷物になるまで、たぶんもう少しだ。いろんなことが、あともう一息。