#063 好きなあの街【三日坊主とひとりごと】

「田舎」と「都会」

「東京」と「地方」

という、価値観。

その大元になる感情は何だろう
と、最近考える。

田舎の小さな町で育った私は、
1日も早く、そこを
出ていきたいと思っていた。

多感だった、10代の頃。

家族はとても仲が良かったし、
そこそこ友人もいた。

最寄りの本屋が遠すぎるくらいで、

これといった不満が
あったわけではない。たぶん。

でも。
私は、その街を出ていきたかった。

大学に入り、社会人になって、
いろいろな地域出身の
人と知り合いになった。

中には「地元大好き!」という
地域愛にあふれた人もいて、

正直、ちょっとだけ
面食らったものだ。

彼・彼女らと、私の違いは
何だろう。

考えてみてもわからないし、
私の地域愛が刺激されるわけでもない。

「場所が好き」という感覚が、
ないわけではない。

今住んでいるところは、
わりと気に入っていたりもする。

でも、私はたぶん
あの街に戻ることはない。
それはなぜなのか、
自分でもよくわからないのだけど。