去年、いろいろドキュメンタリーを見たいがために、NHKオンデマンドに登録した。
我が家にはもう7年くらい、TVがない。映画はまあまあ好きだけど毎日見るものではないし、ドラマを楽しみに待つ習慣もまったくなくて、NetflixやらHuluやら、一度は登録してみたものの……。
「あれもこれも見られるのか……見られてしまうのか……うわぁ」と、逆に息苦しくなってしまって、どれも数ヶ月で退会した。
そんななかで唯一、続いているのがNHKオンデマンドである。
特に歴史系の番組を見るつもりだったのだけど、思いがけず、すっかりファンになってしまったのが『100分de名著』だ。
簡単にいうと、いわゆる「古典」とよばれる書籍を取り上げ、専門家の解説を交えながらわかりやすく解説してくれる番組。
1回25分というコンパクトさとも相まって、朝、仕事前にちょっとだけ見たり、家事しながら繰り返し音声だけ流したり、かなり活用している。
しばらくは宮沢賢治、司馬遼太郎、松本清張など、文学を中心にハマっていたのだけど、この間久しぶりに、がつんとやられたのが中原中也詩集の会。
そこまで興味はなかったのに、番組の中で朗読された詩に、なぜかどうしようもなくひきこまれてしまった。
演じ手としての森山未来さんがすばらしかったのもあると思う。(音源が欲しい) 読む文字としての詩と、語られるリズムとしての詩と。そこにはいろいろな受け取り方がある。