旅があまり好きではない。もともと、そんなに家族旅行を好む家ではなかったし、修学旅行みたいな行事も楽しくはなかった。友人と遠出することもほとんどない。
仕事で遠出するのは苦にならない。出張はキライではない。ライブや公演をみるために地方遠征したりはする。それは目的が旅ではないから、普通にビジネスホテルに泊まりさっさと帰ってきてしまう。たぶん「観光」に興味がないだけだと思う。
ただ、ここ何年か、家族で年に1回くらいは一緒に旅行するようになった。わたしもその機会にあわせて休みをとる。
みんな歳を重ねて、いろいろ心境の変化もあるのだろう。
この週末は、その家族旅行で北海道にいた。実ははじめての北海道である。ぜんぶ妹夫婦がセッティングしてくれたので、わたしはただ便乗しただけだ。ありがたい。
レジャーやアウトドアやグルメなんかにはほとんど興味がないから、湖をながめながらぼーっと本でも読めれば、わたしは基本的に満足なのである。(とはいえさすがに海鮮はたいへん美味しかった)
洞爺湖周辺の自然はすばらしかった。
「旅は好きではない」といいながら、東京にいて、たまにひとり、唐突に遠出することがある。
向かう先は、山奥のリトリート施設であったり、森に囲まれた宿泊所だったり。
つまりなにか、定期的に自然に囲まれたい欲求があるのだ。
その点、今回はすごくよかった。なにかを補給して帰ってきたら、東京もすっかり秋になっていた。