「書くことは 光」—―そのことばを見た瞬間に、
自分の心が震えたのがわかった。
定年後、絵手紙をたしなむようになった父宛に、
師とあおぐ方から届いた1枚のはがき。
きっと大切なものだろうに、父はその手紙を私に送ってくれた。
「書くことは 光」
私は、いわゆる「三日坊主」である。
瞬間的に夢中になることは数あれど、
(そしてそのときだけ徹底的に凝り性になるのだけど)
その夢のような時間から冷めてしまうのも、意外と早い。
ただし。
もう30年を少し越えた人生の中で、
20年以上続いていることが、ひとつだけ、ある。
それが「書くこと」だ。
「続けよう」なんて思ったことは、一度もないのだけれど。
それはどんなときも、当たり前のような顔をして
私のとなりにどっかりと腰をおろしている。
ここまでくると、もはや腐れ縁である。
でも、それは私にとって唯一の「光」になった。
私はこれからもずっと、その光を追っていくのだろう。
たぶんこの先、ずっと。